住宅建築用に土地を購入する際の境界の確認

住宅を建てるためにポツンと空いている土地を購入する場合、若しくは一戸だけの建売住宅を購入する場合は、隣家との境界線で揉め事の起きることがあります。境界標が無くなっていると、両家の思っている境界が異なっていることが少なくありません。

●2つの境界

実は、境界には「筆界」と「所有権界」という2つがあります。

1)筆界

法務局に保管されている登記簿上の境界が筆界であり、当該土地の範囲を区画する証とされています。筆界は公的な定めであるため、土地の所有者の都合で変更できるものではありません。しかしながら、筆界は明治時代に定められたものであるため、当時の測量技術の区画が、現実の土地の区画とは適合しないことが数多く生じています。

2)所有権界

所有権界とはその名の通り、所有権の影響を受ける境界ということです。仮に、筆界を越えていたとしても、所有権を得られるケースがあります。民法には、20年間所有の意思をもって平穏且つ公然と他人の物を占有した場合は、所有権を取得するとしています。また、占有期間が10年間でも、占有の開始時に善意且つ過失が無かった場合は、所有権を取得するとなっています。

●筆界特定制度の利用

土地の境界が曖昧な場合、または登記簿の筆界と異なる場合は、土地の所有者同士で境界を確定させるようにします。また、話し合いで決着しない場合は裁判という手段もありますが、裁判の場合は手間や費用、年数がかかります。そこで、効果的なのが「筆界特定制度」です。

筆界特定制度とは、法務局の登記官が境界を特定する制度であり、公的な立場でもって境界の位置を明確にします。ただし、境界の位置を示す境界標の設置まで行うものではありません。

筆界特定制度を利用すると、調査から特定までの期間が半年から1年で済み、申請手数料も数千円~1万円です(別途、測量費用が数十万円)。ちなみに、筆界特定の制度には法的な拘束力が無いため、どうしても納得できない時は、裁判に訴えることが可能です。

●まとめ

境界を曖昧なままにしていると、いつかトラブルに進展することがあります。土地は親子代々承継されるものであるため、明確にしておくことに越したことはありません。